学ぶためのAI
自分は「自分が学ぶ」ためにAIを使うことが多い。
もちろん、業務ではコードを書くためにAIを使う場面はある。ただ、Claude Codeを使い倒しているかというと、ドキュメント整備をサボってきた都合もあり、コンテキストが浅いものを対象に適当なプロンプトを渡してコードを書かせる程度にとどまっている。
自分の周囲のエンジニアリング業界ではどこを見てもAIの話。毎日そこかしこからAIが関わるニュースが流れてくる。これだけ毎日聞いていると自分ももっとAIでコードを書かなきゃ、もっとAIを使いこなさなきゃと思い、ついつい情報を浴びようとしてしまう。これが嫌で、無闇矢鱈な情報を浴びるのは、プライベートな時間では避けようとしている。
最近同僚から知識のストックとフローについて共有してもらう機会があった。彼が言うには、時間がない中で情報をキャッチアップするには、ストック的な知識を優先する方が良い、という内容だった。
例えばAIに関して言えば、プロンプトエンジニアリングやLLMの仕組みそのものがストック的な知識で、様々なコーディングエージェントやMCPがフロー的な知識だ。具体的な例だと人によって認識が異なりそうだが。ストック的な知識は時代によって変わらないものや概念であり、フロー的な知識は時代によって変わりうるものや概念とも言えるだろう。
自分も最近ストック的な知識を深めようとしていた。それがコンピューターサイエンスの知識だった。いつの時代でもコンピューターがどのように動くかは変わらないし、ネットワークやデータベースの仕組みも変わらないし、データ構造やアルゴリズムの種類も変わらない。このような、いつの時代でも変わらないものにフォーカスを当てるのにちょうどいいタイミングだと自分は考えている。しかも、多くのAIはコンピューターサイエンスの基礎を理解しているように感じる。聞けばだいたい何でも答えてくれるし、それをきっかけに自分でディープダイブもできる。非情報系の出身である自分にとって、これを使わない手はないと思った。
最先端のAIやコーディングエージェントを使いこなすことに時間を投資したら、短期的にはメリットがあるだろう。AIを使うことの中にも変わるもの、変わらないものはあるだろうし、そこをストックできないのは痛手だと思う。ただ、その先のどこかでどうしても理解が浅いままになる気がしている。知らなくても雰囲気でできてしまうから。
だから自分は今日も学ぶためのAIを使っている。